循環器内科とは

循環器のイメージ写真

血液は、体中を循環し、生命を維持するための栄養や酸素を体のすみずみまで届けています。
循環器とは、この血液が流れる器官のことで、心臓や血管などがこれに当たります。
循環器内科では、主に、高血圧、不整脈、狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈、睡眠時無呼吸症候群などの病気の診察、検査、治療を行います。

このような症状はご相談ください(例)

  • 血圧が高い
  • 強い胸痛を覚える
  • 胸に締めつけられるような違和感を覚える
  • 歩行・運動時に胸が苦しくなり、休むと楽になる
  • 動悸がする(鼓動が速くなる、強い鼓動を感じる)
  • 脈が乱れる、飛ぶ
  • 息苦しくなる(特に横になったとき)
  • 以前よりも運動時の息切れがひどくなった
  • 失神した(意識を失った)
  • 心電図や胸部X線検査で異常を指摘された など

循環器内科で扱う主な疾患

  • 高血圧
  • 不整脈
  • 動脈硬化
  • 脂質異常症(高脂血症)
  • 狭心症、心筋梗塞
  • 心不全
  • 心臓弁膜症
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 大動脈瘤
  • 睡眠時無呼吸症候群 など

循環器内科でよくみる疾患

高血圧

高血圧とは、血圧が基準値より高い数値が続く状態です。
一般的には、外来での収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上、拡張期血圧(最低血圧)が90 mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。
高血圧の主な原因は、食塩の摂り過ぎ、喫煙、多量の飲酒、ストレスの負荷、加齢、遺伝的要因、肥満などがあります。
その他、ホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群、腎臓病 などが原因で高血圧になる場合もあります(二次性高血圧)。

血圧が高いだけでは症状が現れにくいですが、高血圧の状態が長く続くと、心臓や血管が常にダメージを受け続けることで、全身の血管の動脈硬化が進行していきます。
そのため、気づいた時には脳卒中、心筋梗塞、腎不全といった合併症を発症していたということも少なくありません。
このような最悪のケースを防ぐためにも、定期的に健診を受けたり、家庭で血圧測定を行ったりして、高血圧と診断されれば適切な治療を受けることが大切です。

脂質異常症

血液中にはさまざまな脂質が含まれていますが、その中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が過剰にあったり、HDL(善玉)コレステロールが少なかったりする場合を、脂質異常症といいます。
脂質異常症は、自覚症状がみられないために放置されやすい病気の一つです。
しかし、脂質異常症になると動脈硬化を招き、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの合併症を引き起こしやすくなります。

糖尿病

糖尿病とは、血液中のグルコース(血糖)が多くなりすぎる病気です。食事のあとには一時的に血糖値が上がりますが、健康な人では膵臓から分泌されるインスリンの働きにより、血液から各臓器へグルコースが吸収され、血糖値は下がります。
糖尿病の患者さんでは、インスリンの分泌量が減ったり、効き目が悪くなったりすることで、各臓器へグルコースが取り込めず、血糖値が高い状態が続いてしまいます。
糖尿病は、生まれつきインスリンの分泌量が低いタイプの「1型糖尿病」、生活習慣の乱れや過食・運動不足などを背景に起こるタイプの「2型糖尿病」に分類されます。日本人では、糖尿病患者さんの約95%は後者の2型糖尿病です。
血糖値が高い状態が続くと、動脈硬化が進行することで全身の様々な血管・臓器を障害し、心筋梗塞、脳卒中といった命に関わる病気のリスクが高まります。また、網膜症、腎不全、神経障害などの合併症を発症すると、生活の質を下げることになります。
健診などで血糖値の異常を指摘されたら、決して放置せず、まずは食事や運動などの生活習慣の見直しを行いましょう。
それでも改善しない場合には、薬物治療が必要になることがありますので、お早めにご相談ください。

心不全

心不全とは、心臓のポンプ機能が成城に働かなくなり、全身の臓器へ十分な血液を送り出せなくなった状態をいいます。加齢、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、弁膜症、心筋症などがあると、心不全が起こりやすくなります。また、一度心不全を起こした患者さんでは、風邪などの感染、過労、塩分摂取過剰などをきっかけとして、再発が起こりやすいです。
心不全では、呼吸困難やむくみ、動悸、疲労感など、さまざまな症状が現れます。ご高齢の方では、こういった自覚症状がはっきりと現れにくく、息切れなどの症状があっても「年だから」と見過ごしがちです。放置したまま重症化すると、命に関わるような事態にもなりかねません。
これまでできていた動作ができなくなった、急に体重が増えた、身体(足)がむくむようになった、動悸や息切れが増えた、疲れやすくなった、などの症状がありましたら、お早めにご相談ください。

狭心症

狭心症とは、心臓が活動するのに必要な血液が十分に届かないことで起きる病気です。
狭心症の主な原因は、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症などをきっかけに動脈硬化が進み、心臓を栄養する血管(冠動脈)の内側にプラークという脂肪の塊がつくことで、冠動脈が狭くなることです。
坂道や階段を上がると胸が苦しくなる、胸が痛くなる、肩や顎に痛みを感じるなどの症状がみられたら、狭心症が疑われますので、ご受診ください。

心筋梗塞

心臓に血液を供給する血管(冠動脈)が、何かしらの原因で硬化・狭窄、そしてそこに血栓(血液の塊)が詰まることで血管が完全に塞がれ、心筋が壊死してしまう状態を心筋梗塞といいます。
心筋梗塞の主な原因は、狭心症と同じく生活習慣病による動脈硬化です。

心筋梗塞の症状は、突然の激しい胸や背中の痛み、吐き気、息苦しい、冷や汗などで、意識が消失することがあります。
糖尿病患者さんでは、胸の痛みを自覚しにくく、いつの間にか心筋梗塞を起こしてしまっていることもあります。

心筋梗塞は命にかかわる重大な病気ですので、一刻も早い治療が必要です。
もしこれらの症状がある場合にはすぐに病院を受診してください。

不整脈

不整脈とは、脈のリズムが正常でない状態のことです。具体的には、頻脈、徐脈や、脈が不規則な場合を言います。

不整脈の原因は、心臓の病気や甲状腺の異常などのほか、老化、ストレス、睡眠不足、疲労、体質などによって起きることもあります。
不整脈の症状として、脈がとぶ感じ、ドキドキとする動悸、胸の痛みや、めまい、意識消失などがみられることがあります。不整脈のタイプによっては、命にかかわることもあります。
気になる症状があれば、一度ご受診されることをお勧めします。